
「いつかRPGを作ってみたい!」ゲームを作りたいと思ったきっかけが、RPGだったという人も多いのではないでしょうか?ただ、フィールドやイベントまで全部作ろうとすると、とんでもない量になってしまいます・・・。そこでこのシリーズでは、フィールドを歩く部分は作らずに、RPGの一番の楽しさであるコマンドバトルと育成に集中します。ロビーから地下へ出発して戦い、レベルを上げて装備を整え、いちばん奥のボスを倒す。そんなコンパクトなRPGを、最初から最後まで一緒に作っていきたいと思います!
舞台は、まほう図書館の地下。本から逃げ出したものたちが、地下の書庫で暴れています。スライムちゃんと仲間たちが、図書館のロビーを拠点に、地下3階まで集めに行きます。
どんなゲームを作るの?

- バトルは「たたかう・まほう・どうぐ・ぼうぎょ・にげる」を選ぶターン制のコマンドバトル
- 横から見たサイドビュー。左に仲間3人、右に敵が並ぶ
- 仲間は4人。そのうち3人がバトルに出て、ロビーで入れ替えられる
- 敵を倒すと経験値とお金が入り、レベルアップして新しいまほうを覚える
- 図書館のロビーで、休憩室・売店・装備・なかまの入れ替え・セーブ
- 地下1〜3階を進み、いちばん奥のボス「禁じられた本」を倒せばエンディング
- 攻撃すれば敵が光ってのけぞり、ダメージの数字が飛び出す。操作するたびに手応えが返ってくるところまで作る
- マウス・キーボード・ゲームパッドのどれでも遊べる
- 最後はWindowsのゲーム(.exe)にして、友達に遊んでもらえる形にする
登場するなかま
| なかま | 役割 | 主なまほう・わざ |
|---|---|---|
| スライムちゃん | バランス型。打たれ強く、かんたんな回復も出来る | ちょこっとヒール/ぷるんアタック |
| フェアリー | 回復と補助 | ヒール/まもりの風/みんなでヒール/めざめの歌 |
| キョンシー | すばやい物理攻撃。おふだで敵を動けなくする | れんげき/おふだ |
| メドゥーサ | 攻撃まほうと、石化・どく | まほうの矢/へびのどく/せきかのまなざし/いなずま |
地下の書庫

| 階 | 出てくる敵 |
|---|---|
| 地下1階 | こぼれたインク/紙ひこうき/本の虫(かみついて、どくにする) |
| 地下2階 | 羽ペン(れんぞくひっかき)/ぶあつい辞書(ためてから のしかかり)/とびだす地球儀(全員に ころがりアタック) |
| 地下3階 | ランプのおばけ(ほのお)/まほうのページ(せきかのことば) |
| 地下3階の奥 | 禁じられた本(ボス。ページを呼び出し、決まった順番で大技を使う) |
このシリーズの対象

- Unityスタートガイドをひととおり読んだ人
- スクリプトの基本(変数・if・メソッド・クラス)に慣れてきた人
- ほかのゲーム制作シリーズを1本作り終えた人(初めての人でも進められますが、作る量は多めです)
画面のほとんどがUIなので、スタートガイドの第9章(UI)の内容をたくさん使います。
スライムRPGって、やっぱり大変なんですか・・・?



全27回あるけど、1回で作る量は少なめにしてあるよ!フィールドを作らない分、「データの作り方」と「バトルの流れ」は本格的。ここで覚えたことは、どんなゲームにも使えるよ
プロジェクトの環境


- Unityのバージョン:Unity 6.3 LTS
- テンプレート:Universal 2D(URP)
- 画面:横画面(1920×1080)
- 入力:マウス・キーボード・ゲームパッド(Input SystemとUIのナビゲーション)
このシリーズで学べること


スタートガイドの知識をゲームで使う
- 6-16 待つ処理をすっきり書こう:async/awaitとAwaitable:メッセージを順に出す、コマンドを選ぶのを待つ、演出の順番
- 9-8 キーボード・ゲームパッドでUIを操作しよう:コマンドのメニュー、まほうやどうぐの一覧
- 12-8 ScriptableObjectでデータを作ろう:仲間・敵・まほう・どうぐ・装備・階のデータ
- 6-14 クラスを受け継ごう:継承とabstract:コマンドやまほうを、1つずつのクラスに分ける
- 6-15 選択肢に名前を付けよう:enumとswitch文:バトルの場面、効果音の種類
- 6-13 数が変わるデータを扱おう:List:パーティと持ち物
- 9-6 Scroll ViewとLayout Groupでリストを作ろう:ステータスのウインド、どうぐや売店の一覧
- 12-4 パーティクルで演出しよう:Particle Systemの基本:火花、回復のキラキラ、まほうの演出
- 8-3 スクリプトでシーンを切り替えよう:タイトル → ロビー → バトル → エンディング
- 12-6 データを保存しよう:PlayerPrefsとJSON:セーブとロード
- 12-1 音を鳴らそう:効果音とBGM:効果音とBGMの切りかえ
- 10-2 初めてのビルド:Windows/Mac向け実行ファイルを作ろう:Windowsで遊べる形にする
このシリーズで新しく覚えること
- コマンドをクラスで分ける:たたかう・まほう・どうぐ・ぼうぎょ・にげるを、同じ形で扱えるようにする
- await で選択を待つ:コマンドやねらう相手を選び終わるまで待ってから、次へ進む
- バトルの流れ:コマンドを選ぶ → すばやさ順に行動 → 勝ち負け → 次のターン、をenumで整理する
- ダメージの計算と乱数:乱数を1か所にまとめて、シードを固定すると同じ結果になるようにする
- 手応えの演出:前に出る・白く光る・のけぞる・数字・火花・ヒットストップ・画面の揺れ・赤いふち
- 状態異常:どく・せきか・ふうじ・ぼうぎょアップを、残りターンとアイコンで管理する
- シーンをまたいでデータを持ち越す:ロビーとバトルで、同じパーティ・持ち物・お金を使う
- 自動プレイでバランスを決める:ゲームに自分で遊んでもらい、同じ条件で何回も通して結果を数える
目次


全27回は、大きく6つに分かれています。
| 回 | 作るもの |
|---|---|
| #1〜#6 | バトル画面・データ・コマンドのメニュー・ねらう相手 |
| #7〜#12 | ダメージ・攻撃と被弾の演出・バトルの流れ・勝ち負け・レベルアップ |
| #13〜#16 | まほう・状態異常・どうぐ |
| #17〜#20 | ロビー・売店・装備・なかまの入れ替え |
| #21〜#24 | 地下3階・ボス・自動プレイでバランス |
| #25〜#27 | セーブ・タイトル・音・エンディング・ビルド |
#1 プロジェクトの準備とバトル画面のレイアウト
- 横画面のプロジェクトを作り、素材のzipを取り込む
- メッセージ・コマンド・ステータスのウインドと、仲間と敵の場所を決める
- 3人をその場で弾ませる
#2 キャラクターと敵のデータをScriptableObjectで作ろう
- 能力をまとめた
Statsと、CharacterData・EnemyDataを作る - 4人と最初の敵3体のデータから、並ぶ見た目を作る
#3 仲間のHPとMPを表示するステータスのウインド
- 名前・Lv・HPとMPのゲージを、1人分の行にする
- Layout Groupで、3人分を並べる
#4 コマンドをデータにして、メニューに並べよう
- 「たたかう」「まほう」などのコマンドを、1つずつのクラスとデータにする
- 仲間ごとのコマンドからボタンを作り、選ばれたコマンドをawaitで受け取る
#5 だれの番か、ひと目で分かるようにしよう
- 選んでいる仲間だけを光らせて点滅させ、ほかの仲間を暗くする


#6 たたかう相手を選ぼう
- 矢印キーやマウスで、ねらう敵を選ぶ。キャンセルでコマンドに戻る
#7 たたかう:ダメージを計算してメッセージを出そう
- バトル中の1人を表す
BattleUnitと、乱数をまとめたGameRandom - こうげきとぼうぎょからダメージを計算し、メッセージを1文字ずつ順に出す
#8 攻撃の手応えを作ろう
- 前に出て攻撃のポーズ、当たった敵が白く光ってのけぞる
- ダメージの数字・火花・ヒットストップ・画面の揺れ
#9 バトルの流れを作ろう
- バトルの場面にenumで名前を付けて、すばやさ順に動いて次のターンへ
- ぼうぎょのコマンドと、倒れた敵をねらっていたときの ねらいの変え方
#10 敵の行動と、受けるときの演出
- 敵が行動と相手を選んで攻撃してくる
- 痛がるポーズ・画面のふちが赤く光る・遅れて縮むゲージ・戦闘不能
#11 勝ち負けと、にげる
- 勝ったら喜ぶポーズ、負けたら暗くなる画面
- すばやさで決まる、逃げる確率
#12 経験値とレベルアップ
- 経験値の表で、レベルと能力を伸ばす
- 「LEVEL UP!」の文字が飛び出す演出



ここまでで、ちゃんと戦えるようになりました!次はまほうですね



まほうも「たたかう」と同じコマンドのクラスで作るから、ここまでの形がそのまま使えるよ
#13 まほうとMP
- まほうの一覧を開いて、MPを使って攻撃・回復する
- 杖を振る・力をためるポーズと、まほうのパーティクル
#14 全体のまほうと、覚えるまほう
- 敵全体・味方全員に効くまほう。選んでいるときは対象の全員を光らせる
- レベルが上がると、本を読むポーズで新しいまほうを覚える


#15 状態異常と補助のまほう
- どく・せきか・ふうじ・ぼうぎょアップを、何ターンか続く状態にする
- 状態のアイコンと、ターンのはじめとおわりの処理
#16 どうぐとインベントリ
- 持ち物の一覧(Scroll View)から、ハーブティーやまほうのクッキーを使う
- 飲む・食べるポーズと、めざましどけいで倒れた仲間を起こす
#17 ロビーと休憩室
- まほう図書館のロビーを作り、画面を暗くしてシーンを切り替える
- HPとお金をシーンをまたいで持ち越し、休憩室で元気になる


#18 売店
- どうぐと装備を「売り物」としてまとめ、ロビーの売店で買う
- お金が減っていくのを見せる
#19 装備の画面
- 買った装備を付け替えて、能力の変化(こうげき 12 → 15)をひと目で見せる
#20 なかまの入れ替え
- 4人目のメドゥーサが仲間に入り、バトルに出る3人を選ぶ
- 控えの仲間にも、経験値を半分
#21 地下へ進もう
- 階ごとの敵の組み合わせをデータにして、何回か戦いながら奥へ進む
- 「さきへ すすむ」と「ロビーへ」、クリアしたら次の階へ
#22 地下2・3階の敵
- ためてから大技・全員に当たる・まほうを使う敵
- 仲間のまほうのクラスを、そのまま敵にも使う
#23 ボス「禁じられた本」
- 暗くなってページが舞い、ボスが現れる登場の演出
- 決まった順番の大技と、ボスだけの決まり(逃げられない・おふだが効かない)
#24 自動プレイでバランスを決めよう
- 仲間のコマンドを自動で選んで、同じシードで何回も通す
- 結果をConsoleで数えて、強すぎた どく と弱すぎた敵を直す


#25 セーブ・ロードとタイトル画面
- ロビーでセーブして、JSONのファイルに残す
- タイトル画面の「つづきから」で、遊んだ続きから始める


#26 効果音とBGM
- ボタン・攻撃・まほうに効果音を付ける
- タイトル・ロビー・バトル・ボス戦で、BGMを切りかえる
#27 エンディングとビルド
- ボスを倒したら、仲間と敵のデータから作ったスタッフロールを流す
- Windowsでビルドして完成


準備するもの


- Unity 6.3 LTS がインストールされたPC(1-1 Unityのインストール)
- コードエディタ:VS Code(1-3 VS Codeの導入)
- シリーズで使う素材:TurnBasedRpgAssets.zip(約29MB)
- 仲間4人・敵・ボス・背景・ウインドの枠・状態のアイコン・パーティクルの粒・効果音とBGM・日本語フォント(Noto Sans JP)が入っています
- 取り込み方は2つあります。zipの中の
TurnBasedRpgAssets.unitypackageをダブルクリックするか、TurnBasedRpgフォルダをUnityのAssetsにドラッグ&ドロップ(くわしくは#1で説明しています) - 自由に使ってOKです(クレジット不要。作ったゲームの公開・販売にも使えます)。素材そのものの再配布はご遠慮ください
ほかのシリーズ
- ペット育成ゲームの作り方(UIとデータ中心)
- ヴァンサバ風ゲームの作り方(アクション)
- デッキ構築カードゲームの作り方(ターン制のカードバトル。演出の作り方が近いので、先に作っておくと楽になります)
- Unityスタートガイド 目次